「作業療法士」と検索すると、「作業療法士 やめたい」という言葉が一番最初に検索ワードに上がることをご存知ですか?
多くの作業療法士が、「作業療法士」「やめたい」と検索している。
だから、「作業療法士」と検索しただけで、一緒に「やめたい」まで検索されてしまうんですよね。
それにしても、真っ先に「やめたい」と上がるだなんて
……気持ちがわかります。
実は、私も「作業療法士 やめたい」と検索したことがあります。
私は、作業療法士の資格を取得し、約16年経ちますが、その間に3回転職しています。
それぞれ転職理由は異なります。
また、実際に転職した時以外にも、やめたいと思うことはたくさんありました。
- 人間関係
- やりたいことが違った
- 結婚
- 家族の転勤
- 給料が上がらない など
作業療法士という夢をもち、資格をせっかく取得したにも関わらず、現実は理想通りではなかったと感じることも。
でも、今の職場が合わないから、作業療法士が合わない…と考えるのは、まだ早いです!
私は作業療法士を辞め、一度別の仕事も経験しましたが、やはり作業療法士の仕事が楽しいと戻ってきました。
作業療法士は、分野や領域、勤務体制、人数などにより、雰囲気や給料、自由度、仕事内容、休みやすさなどが全く違うものです。
作業療法士を辞めたいと思った方も、実は今の職場が合わないだけかもしれません。
そこで、実際に作業療法士が辞めたいと思う7つの理由と、それぞれの理由に対して、とるべきおすすめの行動をご紹介します。
- 作業療法士を辞めたいと思っている方
- 今の仕事が辛い方
- 転職を考えている方
作業療法士が辞めたいと思う7つの理由
作業療法士が辞めたいと思う理由は、だいたいこの7つになります。
- 理想の職業ではなかった
- キャリアアップしたい
- 給料に納得いかない
- ライフステージに合わない
- 忙しすぎる
- 育休や産休が取りにくい
- 人間関係に疲れた
どうですか?
あなたの理由も当てはまりますか?
では、さっそくそれぞれの理由に対して、おすすめの行動をご紹介していきましょう。
①理想の仕事ではなかった
理想の仕事ではなかったと感じる方は、作業療法士として働き始めて1〜2年目で感じる人が多い印象です。
多くの方が作業療法士を目指す際に、
- 実際に作業療法士の仕事ぶりを見た
- 実際にお世話になった
- 本などで仕事内容を見た など
何かしらの理想のイメージを持って作業療法学科に入学したと思います。
しかし、実際にいざ仕事をしてみると、
- リハビリしたい疾患が見れない
- 患者さんや利用者さんをじっくり見る時間が持てないほど忙しかった
- 希望の領域に就けなかった など
理想と現実のズレにより、仕事へのモチベーションはどんどん下がります。
そんな理想の仕事ではなかったと感じている方は、
領域を変えてみることをおすすめします。
今現在勤めている職場が、さまざまな分野を持ち合わせているグループ系列の病院や施設の場合、まずは移動願いにて、自分のグループ内で新たな領域に挑戦してみることが良いでしょう。
すぐに退職を考えるより、せっかく就職したのならば、他の分野も経験してからでも遅くありません。
あなたの上司としても、「いきなり退職を決めた」と言われるより、「退職も考えたけど、とりあえず異なる分野を経験してみたい」と伝えられた方が、まだホッとするでしょう。
しかし、1〜2年目ではなかなか移動願いを出しにくい、意見が通らないということも現実。
そんな時は、思い切って転職してみましょう!
また、今勤めている職場に他の領域がない病院や施設の場合も同様に、新天地で挑戦することをおすすめします。
多くの作業療法士が、理想と現実のはざまで悩みます。
新人として就職し、1〜3年で転職する方は意外と多いものです。
就職期間が短く、転職先で嫌悪感を抱かれるかもしれないと、不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、意外にも就職期間が短いということは、何色にも染まっていないため、転職を喜ばれることも多いです。
新天地を希望する場合、グループ系列がある病院や施設の場合、希望の部署に行けないこともあるので、応募時や面接時のアピールなどが大切です。
なかなか自分で希望の領域を話しにくい方は、ぜひ転職エージェントを利用してみましょう!
あなたの代わりに応募先の職場に就職条件を交渉してくれますよ。
しかも、その交渉料は無料です。
②キャリアアップしたい
3年目以降に感じる方が多い印象です。
- 病院や施設に入社し、一人前になってきたので、もう少し専門性の高い職場で学びたい
- 悩んだ末に諦めた分野で、自分の可能性を試したい
- 現在は、入院時のリハビリを担当しているが、退院後の生活に関わりたい
- 今は介護保険領域で働いており、医療期間で働いてみたい など
働いていく中で、自分の仕事スタイルが掴めてきた方が多いのではないでしょうか?
キャリアアップと、一言に言っても、さまざまな方法があります。
- 資格を取得する
- 研修会への参加
- 専門の職場に転職し、現場経験を増やす
資格取得のため勉強したいが、残業が多く勉強がはかどらない
職場によっては、残業が多く、資格を取得するための勉強時間がないという方もいるでしょう。
仕事時間が多い中で、勉強時間を確保することって、結構難しいですよね。
手っ取り早いのは、残業が少ない職場に転職して、勉強時間を作ることだと思います。
今や転職エージェントに頼めば、残業の少ない職場は、いくらでも紹介してもらえます。
しかし、今の職場で就職したまま、勉強時間を作りたい。
そんな方は、生活の隙間時間で勉強することをおすすめします。
私は、保育士の試験を働きながら取得するために、通勤途中のコンビニの駐車場で、毎日20分ほど勉強しました。
また、本のタイトルが見えないようブックカバーをかけ、お昼休憩時間などにも勉強しました。
少し細切れにはなりますが、その分思い出しながら勉強するので、覚えやすくなるというメリットがあります。
研修会へ参加したいが、休みが取りにくい職場
研修会へ参加するために申請した有給を申請したものの、通らなかったという経験はありませんか?
休みやすさは、職場によって異なります。
毎回、研修会に参加できないのであれば、転職がおすすめです。
有給が取りやすい職場は、いくらでもあります。
職場によっては、研修会の休みは仕事扱い、研修費、さらに交通費を出してもらえる職場もありますよ!
新しい知識を取り入れることに、前向きな職場も多いものです。
専門の職場に転職し、現場経験を増やす
机上の勉強も大切ですが、100回本を見るより、1度現場で経験した方がより身につくでしょう。
もしやりたいことが決まっているなら、専門の領域に就き、経験を積むことで、何よりも自分のスキルアップになるでしょう。
担当した疾患や介入したことは、いつまでも印象に残るものですよね。
転職をすることは、なかなか勇気がいることです。
しかし、一度しかない人生!ぜひ、試してみる価値があるでしょう!
③給料に納得がいかない
作業療法士の給料は、高いとは言い難いですね。
誰と比べるかという問題になるかもしれませんが、
特に、昇給が微々たる程度で、ほとんど就職時と変わりありません。
そのため、勤めていくうちにストレスを感じることもしばしば。
他職種の友達の収入を聞くと、がっかりしてしまいます。
(もちろん年収は、職業によるため、年収が作業療法士の方が高い場合もあります)
経験は増えていくのに、新人とほぼ変わらない給料にモチベーションも下がりますよね。
給料は、基本的には基本給+通勤手当+残業代です。
職場によっては、資格手当がつくところも。
基本給が変わらないのであれば、稼ぐとしたら残業代ぐらいでしょうか?
とは言え、無意味な残業もしていられないですし、残業続きの毎日では疲れてしまいますよね。
作業療法士は、あまり昇給が見込めないので、給料に納得がいかない方は、
介護保険系の分野へ就職した方が、基本給もしくは資格手当が高めなのでおすすめです。
作業療法士の人数が少ない職場では、資格手当が高い求人も多いです。
作業療法士の需要が高い職場にて、交渉のすえ資格手当を釣り上げた作業療法士もいるので、職場次第では給料が上がります。
④ライフステージに合わない
作業療法士の資格を取得してから、長年同じ職場に勤めている方もいると思います。
しかし、勤めているうちに、
結婚や出産などの転機もあるでしょう。
結婚や出産にともない、私生活では家事や育児が増えます。
家事や育児の仕事量はとても多く、しかも急激に増えるため、今までと同じ業務量や勤務時間では心身共にキツイと感じる方が多いでしょう。
ライフステージに合わせて業務量を減らす方法は、4つです。
- 残業が多い職場であれば、上司に「今のまま残業が多いと、家庭が回らないため、少し考慮してもらえないか」直接お願いする。
- 子どもが3歳未満の場合、時短勤務をお願いする。
- 非常勤勤務に変更してもらい、勤務時間や勤務日を減らす。
- 転職し、残業が少ない職場や改めて非常勤勤務として務める。
①は、上司の人柄や関係性にもよりますね。
少し言い出しにくいことは、否めません。
②、③は、一度お願いしてみるのも良い手だと思います。
②は、子どもが3歳未満と限定的な条件にはなります。
しかし、一番手がかかる時期なので、一時的に時短勤務にし、3歳以後にまた考えるのも良いでしょう。
非常勤とは異なり、時短勤務も減給はされるものの、賞与がもらえるというメリットがあります。
私も育休後は、なかなか今まで通り働くというわけにはいかず、時短勤務を選択しました。
③は、今の職場で仕事を続ける以上、一番職場が了承してもらいやすい勤務体制だと思います。
職場としては、やはり今まで働いてきた慣れている職員に続けてほしいものです。
③は、賞与がもらえないので、要注意です。
④は、①〜③が言い出しにくい時や無理な時、今の職場に他にも辞めたい理由がある時、良い職場を見つけた時に良いと思います。
どうしても、結婚や出産前のあなたの仕事ぶりを見てきた上司は、以前の働けるあなたのイメージがあるため、なかなか仕事量を調整するという考えに至りにくいのが現実です。
そのため、自ら上司や先輩に相談して、アピールすることが大切です。
しかし、なかなか言い出せない方や、相談したにも関わらず、仕事を任されてしまう方は、新しい職場に転職することも1つでしょう。
転職することで、新しい職場で既婚者の○○さん、子育て中の○○さんとあなたのことをイメージされます。
そのため、仕事量や残業など配慮してくれることが多いです。
このライフステージに伴う家庭との両立の問題は、今や女性のみではありません。
核家族で生活することが多い現代では、男性の手伝いも必要となるため、男女ともに悩む部分ではないでしょうか?
時短勤務や非常勤職員、残業が少ない職場など、選択肢は他にもたくさんあるため、ぜひ前向きに探してみましょう。
ただし、時短勤務や非常勤職員は、給与や賞与が減額、賞与なしとなる場合もあるため、注意が必要です。
今の時期は家族との時間を大切する時期と割り切って、勤務を見直すのも良いかもしれません。
⑤忙しすぎる
作業療法士は、患者さんや利用者さんの対応のみではなく、意外と書類業務も多いですよね。
- 日々の記録
- 自主トレメニュー
- 計画書や報告書
- フェイスシート
- サマリー など
さまざまな書類があります。
しかし、これらの書類を作成するのは、たいてい勤務時間終了ギリギリの時間ぐらいから。
医療分野では、リハビリテーション計画書も算定に入りますが、基本的にはリハビリ対応時間が、もちろん一番点数が稼げます。
そのため、事務側や上司からは、勤務時間ギリギリまでリハビリするよう求められます。
これでは、残業も多いですし、忙しいのは明白ですよね。
また、作業療法士は、なんでも屋と思われていることが多く、医師や看護師、介護士より相談を受けることが多い印象です。
その結果、通常の業務に加え、仕事量が増加してしまいます。
頼られるのは嬉しいですが、正直仕事量が増えすぎてしまうのは困りますよね…。
他に、職場の委員会に所属することもあり、会議に参加する場合は、さらに残業が増えていきます。
この体制が当たり前の職場って、普通なんでしょうか?
いえいえ、
職場によって、忙しさは異なります。
できたら、今の慣れた職場で業務改善したいものです。
しかし、周りの作業療法士が当たり前に残業や他の業務をしていると、なかなか業務改善の提案や実行ができないものですよね。
そんな時は、残業や仕事量の少ない職場への転職することをおすすめします。
意外と、残業が少ない職場は多いものです。
例えば、
- デイサービスやデイケアは、利用者が事業所にいる時間が限られているため、その後は書類整理などしやすい。
- 訪問リハビリでは、1件ずつ対応するため、1日に回れる件数が決まっている。また、ショートステイなどの利用により空き時間ができ、書類整理しやすい。
など
分野によっても、それぞれ仕事量は異なります。
転職する場合は、残業時間の確認、患者さんや利用者さんの対応時間など、あらかじめ確認することをおすすめします。
自分で聞きにくい方は、転職エージェントを利用すれば、無料でさまざまな職場に確認してもらえますよ。
⑥産休や育休が取りにくい
仕事をする上で、福利厚生はとても大切です!
子どもが生まれてから、さらに福利厚生の重要さを痛感しました。
最近は、産休や育休は、制度上取りやすくなってはきています。
しかし、実際は産休や育休を良しとしない雰囲気の職場もあります。
そのため、
- 体調も良くないけれど、ギリギリまで働かざる終えない
- 産後の職場復帰が希望の期間より短くなる
ことがよくあります。
産休育休を希望通りとる方法は、2つ!
- その職場で産休や育休の改革を起こす先駆者となる。
- 退職し、福利厚生のしっかりした職場や、子育て中の職員が多い職場に勤める。
①では、自分の意見を貫き、なんとか産休と育休を勝ち取っていきましょう。
自分を守れるのは、自分だけ。
でも、ここで戦うべき場所は、事務側です。
決してリハビリ職員ではありません。
産休や育休が取りにくいという雰囲気は、人員不足からくることが多いので、職員の数を増やしてもらえるよう事務に掛け合っていきましょう。
②職場によっては、福利厚生がしっかりした職場や、子育て中もしくは子育てが終了し、休みに対し理解のある職員が多い職場はたくさんあります。
そのような職場では、出産後の復帰時もフォローしてくれることが多いため、長く勤めることができるでしょう。
ただし、育休手当がもらえるのは、「勤務2年間中1年の勤務経験がある正社員」と法律で定められているため、育休手当をもらいたい方は、早めに転職することをお勧めします。
⑦人間関係に疲れた
どの仕事でもある問題ですが、作業療法士の仕事では、
- 患者さんや利用者さんとの人間関係
- 職員間の人間関係
があります。
世の中にはさまざまな人がいますが、医療や福祉業界もさまざまな人がいます。
患者さんや利用者さんは、病気により関係性が保てない方もいれば、障害を受容できず、八つ当たりのように接してくる方もいます。
もともと他人に頼る、世話されることが嫌いな方もいます。
そのため、作業療法士はその都度、適切な対応をしなければなりません。
入院では、毎日介入するため、気持ちが落ち込み続けてしまうこともありますよね。
また、介護保険領域では、関わることは毎日ではないにしても、期限のない関わりは、疲労を伴います。
私も、病院勤務にて毎日「リハビリなんて必要ない!」と怒鳴られ続け、それでも誘いにいかなければならないという状況に、毎日憂鬱になりました。
介護保険領域では、ちょっとした手順の違いに対し、苦情を訴える方がおり、その利用者様がくる曜日は毎週憂鬱になっていました。
次に、職員間の人間関係も難しいものがありますね。
それぞれ、仕事に対してのスタイルが異なるため、一緒に働くことで不満もたまります。
私は、作業療法士の先輩に無視され続けたことがありました。
さすがに、その時は心が折れそうになりました。
職員間での人間関係の悪化は、業務が滞りやすく、結果いらない仕事や時間を費やし、さらに疲労します。
また、疲労した状態での仕事は、普段できることもミスしやすくなります。
そのミスにより、苛立ちがつのったり、自分を責め、さらに疲労する。
悪循環ですね。
作業療法士や理学療法士がうつ病になるという話もよく聞きます。
私の身近な人も、実際に患った方がいます。
作業療法士という仕事は、人としっかり関わる仕事であるため、人間関係に悩まされることも多いです。
人間関係に疲れて、辛すぎる、手が痺れる、身体がだるいなどの症状がある方は、
限界を迎える前に、まずは休職する、それでも無理なら辞めるという決断は大切です。
自分を一番労れるのは、自分です。
まとめ
作業療法士がやめたいと思う7つの理由
- 理想の職業ではなかった
→領域を変えてみる - キャリアアップしたい
→転職や隙間時間での勉強 - 給料に納得いかない
→介護保険領域への転職 - ライフステージに合わない
→現職場へのお願い、時短勤務、非常勤への変更、転職 - 忙しすぎる
→転職 - 育休や産休が取りにくい
→現職場での先駆者になる、転職 - 人間関係に疲れた
→休職、転職
自分にとって何を大切に働いていくかで、やめたいと思う理由は異なってきますよね。
そのやめたい理由を明確にし、今後は働いていく上で自分が大切にしたいポイントに軸を置き、このまま続けるか、もしくは転職を考えると良いでしょう。
きっと自分にあった職場が見つかります。
自分で見つけることが難しい時は、ぜひプロの転職エージェントにお願いしましょう。
無料で、次の転職先を紹介してくれますよ。
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