作業療法士の仕事は、今や幅広く、さまざまな分野で仕事をすることができます。
しかし、仕事の幅が広すぎる分、一度ある分野に勤めてしまうと、なかなか他分野に挑戦しづらくなりますよね。

知らない分野への挑戦は、とても勇気のいるものです。
私は、2回の転職経験がありますが、
病院と特別養護老人ホーム
↓
デイケア
↓
訪問看護ステーション に勤めました。
仕事内容が異なる職場へ転職し、慣れるまでに少し時間はかかりました。
しかし、意外にも転職先の同僚は、その分野について詳しくない私を受け入れ、温かく教えてくれました。
何より、新しい分野への転職は、意外と自分に合っていることを発見できました。



チャレンジしてよかったです!
もし、今の仕事が面白くない、他分野に少しでも興味があると考えているのであれば、思い切って挑戦してみるのも良いと思います。
せっかく取得した作業療法士の資格を悔いなく活かしましょう!
今回は、作業療法士の就職先として医療編(病院)の特徴についてお伝えします。
- 転職を考えている方
- 今勤めている分野以外の仕事をしてみたいと考えている方
- 新たな分野に挑戦したいと考えている方


病院といってもそれぞれの特徴がある
以前は、国家試験取得直後は、病院に勤める方が多かったですが、最近では、介護施設から勤めている方も多い印象です。
そのため、利用者が介護施設の利用前にどのように病院で過ごしてきているのか、気になる方も多いのではないでしょうか?



病院と言っても、さまざまな時期なあるのは、ご存知ですよね?
この時期によって、対応できる時間やペース、職場の雰囲気などが大きく異なります。
また、病院が診療している科によっても対象疾患が異なるので、どんな疾患を担当したいか希望がある方は、よく診療科などを調べたほうが良いでしょう。
一般病院は、それぞれの時期でリハビリの雰囲気も異なる
ここでは、身体領域の病院について説明しますね。
身体領域と一言に言っても、
- 急性期
- 回復期
- 慢性期
があります。
同じ病院でも全く異なる職場と感じるほど、仕事内容や雰囲気が異なります。
しかし、既往歴が今回発症や受傷した疾患のみとは限らないので、精神面も含め多面的に対応する必要があります。
バイタル管理が必須の急性期病院は、医療職を実感できる


- 病気の発症直後やケガの受傷直後のため、患者がラインに繋がれていることが多い
- 患者が病院に入院できる日数が少ないため、出入りが激しく、担当患者がどんどん変わる
- 時期によっては、かなり忙しい
- 患者の機能が回復に向かうことが多く、感謝されやすい
- 多くの症例を担当することができる
- ライン管理やバイタルチェックなど注意すべきことが多く、若干ナースステーションがピリピリしていることが多い
急性期病院は、体調の変化に気をつけて仕事をしなければなりません。
そのため、バイタルチェックやライン管理に注意が必要となります。



この体調の変化などに気づけるようになると、今後リハビリのさまざまな就職先でも役立ってきます。
また、急性期病院の看護師は仕事量が多く、患者の体調の変化にもかなり気を遣うため、なかなか話しかけにくい雰囲気が漂っていることも多いです。



看護師さんがピリピリしていて、話す人を選びたくなります…。
急性期病院は、入院期間が少ないため、患者さんがどんどん転院や退院をします。
対応の大変な方を長い期間担当しなくて良いという反面、まだまだ一緒にリハビリをしたかったという方も途中で転院してしまうことが多いです。
回転数が激しいので、多くの症例を担当できるメリットがありますが、その分リハビリのサマリーを書く機会も多く、書類の作成も多いです。
疾患によってはクリニカルパスなどもあるため、プログラム内容を立てやすいという面もあります。
リハビリメインとなる回復期病院は、じっくり患者に向き合える


- 体調も落ち着いている方が多いため、どんどん運動ができる
- 患者にじっくり向き合える時間がある
- 看護師も協力的な方が多い
- 回復の度合いによって、患者の今後の退院先が大きく変わる重圧がある
- 365日リハビリをしている職場が多く、休日出勤の可能性もあり
回復期病院は、リハビリがメインで入院されている方が多いです。
そのため、運動制限が少ない患者が多く、リハビリのしがいがあります。



リハビリ時間もたっぷり確保できるので、じっくり個々に向き合うことができるでしょう。
まだまだ機能回復も見込めるので、回復して変化していく患者さんを間近で見ることができます。
看護師も協力的な方が多い印象です。
ただ、入浴ができる方も多いので、入浴時間にリハビリが重ならないよう配慮が必要です。
回復の度合いによって、
- 患者が自宅に退院できるのか
- 施設に入居するのか
- 職場復帰はどうなるのか
などが変化してくるので、プレッシャーが大きいです。



しかし、その分やりがいを感じます。腕の見せ所ですね!
回復期病院は、リハビリがメインであるがゆえに、休日出勤の場合も多いので、転職前には確認が必要ですね。
個々に合わせた動作練習が必要な療養病院は、作業療法士冥利に尽きる


- 回復期を過ぎ、患者の機能回復度合いが緩やかになることが多く、患者を含め、良くなっていると実感しにくい
- 動作練習、環境設定などのプログラムにて、生活が変化することが多く作業療法士冥利に尽きる
- 病院生活が長くなり、不安を抱える方も多いため、身体面のみではなく、メンタルケアも必要となる
- 患者の考える目標に現実味を帯びたものが多く、作業療法士と目標のすり合わせがしやすい
- 疾患が多様であることが多い
療養病院は、回復期を過ぎて機能回復のペースが緩やかとなってきていることが多いため、回復期と比べ、良くならないと感じる方が多いでしょう。
しかし、この状況で動作練習や環境設定などのリハビリにより、生活を改善できることは、作業療法士にとって喜ばしいことですね。



頑張りがいがあります!
ただ、その反面、プレッシャーを感じることも多いでしょう。
機能回復度合いが落ち着いてきたこともあり、患者の掲げる目標が現実味のある目標であることが多いです。
そのため、作業療法士と目標のすり合わせがしやすく、同じ方向を向いてリハビリできるという面もあります。
また、この時期まで入院している方となると、入院も長期間となり、不安を抱える方も多いでしょう。



そのため、身体面のみではなく、精神面も合わせた両面でのケアが必要となります。
また、疾患が多様であることが多く、多くの既往歴がある方が入院していることが多い印象があります。
精神病院は、作業療法士の関わり自体で患者の変化を大きく実感できる


- さまざまな作業を患者と楽しむことができる
- 作業療法士の関わり一つで、患者な変化を実感できる
- 集団リハビリも多く、さまざまな疾患を同時に対応することもある
- 全身の体操をすることが多い
- 物品(刃物、鍵など)管理に注意が必要
- 引きこもりなどの支援をすることも
作業療法士特有の領域です。
さまざまな作業を用いて、リハビリをしていくことが精神科作業療法の特徴です。
元々もの作りが好きな方は、患者が作る作品の準備やお手伝いなどをより楽しむことができるでしょう。



もちろん自分の好きなものばかり作るわけにはいかないですが、一緒に作るのは楽しいですよ。
精神疾患を患っている方にとって、作業療法士の関わりが大きく影響を与えます。
そのため、作業療法士がリードして関わったり、時には教えてもらう立場になったりと、自分の立ち位置を変化させて対応します。
集団でリハビリをすることも多く、その集団にはさまざまな疾患の患者がいるため、リーダーとして目配りする力が必要です。



集団リハビリの内容には、意外にも全身を動かす体操も多く取り入られています。
精神的な病気により、体を動かす機会が減少することが多いため、体力が低下しないよう、精神病院でも身体面のケアが必要となります。
また、引きこもりの方に対して、支援することもあります。
今や、さまざまな精神疾患を抱えた患者が、入院や外来に通院されています。
その多くの患者に作業療法を提供していくことで、精神面を含め、生活面まで変化していく姿は、作業療法士として嬉しい限りでしょう。
まとめ
今回は、作業療法士の就職先として、医療編をお伝えしました。
病院といっても、それぞれの時期によって、リハビリの内容もペースも雰囲気も大きく異なります。
それぞれの特徴を理解して、気になる分野があったら、思い切って転職してみましょう!
思い立ったら、その日が吉日ですよ〜!




介護編として、施設や在宅分野についても記事にしています。
こちらよかったら、読んで見てくださいね。


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